DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

東京に最近建ったホテルのバーについて

2008.2.19(火)
私はホテルのバー、特にカウンターで一人で飲むのが好きだ。
そこで、新しい、世に言う、高級ホテルが出来ると一応行って見る。新しいホテルのメインバーのカウンターで飲む。
長い航海で寄れなかったので先週はミッドタウンのリッツ・カールトンのバーカウンターに行く。
リッツ・カールトンのバーカウンターは良く無い。カウンターでは無くフロアー席の方をお進めする。
白いきれいな極短に短いカウンターだ。
先ず、カウンター内に専任のバーテンは居ない。カウンター外の広いフロアー席の酒、ジュースのオーダーも一人だけいるの男性バーテンダーが受ける。忙しく、殆どカウンター内にいない。カウンターの客からカクテルの注文を受けるとその場でシェイクするが、グラスに注いで客に出すと注文に応じる為、直ぐカウンター外に出ていったりする。
短いカウンターの右端には注文を入力するパソコンが置いてあり、チーフらしき人物がカウンターで飲んでいる客の目の前でこちらに向きながらしょっちゅうパチパチPCに入力する。
これは一流ホテルのメインバーのカウンターとは言えない。

3,4日前、苦労して探していたヨット用のネジが見つかった。うれしいので晴天で日は高く、明るいが日本橋のマンダリンホテルのバーへと向かう。
1時間ほど飲んで新しいホテルを楽しむ。
残念ながらマンダリンもリッツ・カールトンのバーカウンター同様、接客があまり芳しいバーではなかった。
マンダリンのバーはスタッフもバーテンも女性である。
バーの雰囲気は重厚さより、軽いモダンな作りとなっている。カウンターでは西に沈む太陽を背に受ける。次第に夕闇せまる空を楽しみながら飲むことは出来ない。
サービスについては残念ながら、十分とは言えない。立派なバーでは無い。
カウンター内に選任のバーテンはいるが客が少ないので時々、カウンターから外れる。皿を洗うなどのスタッフがカウンター内に常に2名いたがカウンター客のグラスに目を走らせないで食器洗いのみに専念している。
私のグラスが空になっている。カウンター選任のバーテンが居ない間、私の前を何度かスタッフが移動する。お次は何になさいますかと声がかからない。カウンター専任のバーテンダーを呼びにも行かない。
カウンターの席にいるお客のグラスに目を配らないバーはバーとはいえ無い。
黒服が途中で登場してカウンターの外に立ったのでチョット注意する。
それはバーとして最もいけないことですと答えが帰えってきたので解ってはいるようだ。教育がなされていないのだ。帰るときに黒服はエレベーターまで送りに来て今度は私がお相手しますと親切に言ってくれたのだが。

一泊8万円ぐらいの部屋しかない高級小型ホテルは最近出来た以上のホテル以外では昔できた銀座一丁目の西洋銀座と、初台に出来たパークハイヤットぐらいであった。パークハイヤットは家から近いせいもあって、サラリーマンであった時からここのバーを最も利用する。

2年ほど前に出来たコンラッド東京は航海の途中で家に帰った時に寄ってみた。ここでは友人と一緒だったのでカウンターでは飲んでいなかった。
追記。08.03.18(火)に飲みに寄る。ここのバーカウンターはかなり変わっている。フロアー席から一段上に一列のバーカウンターが外を眺めるように設置されている。後ろは空間になっていてその後ろでバーテンやスタッフが酒、コーヒーなどを作る。外に東京湾が広がっており、大きな船が停泊しているのが見える。高い天井まで続くガラスを通して素晴らしい展望が目の前にひろがっている。ただ、一段高いのでフロアー席の客の様子は一望に見えるし、向こうからはカウンター客の一挙手一投足が見てとれる結果となっている。スタッフは全員女性である。客の飲む様子は良くチェックしていて、グラスに無くなるころに必ず声がかかる。
何しろ景色が良いので、あまり人目など気にしない人には向いているが、特殊なつくりではある。

パークハイヤットの後に六本木グランドハイヤット、コンラッドリッツ・カールトン、マンダリンが高級小型ホテルとして誕生した。その内、六本木のグランドハイアットのメインバー及びカウンターバーが最も素晴らしい。快適なバーを楽しめる。
それ以外のバーはそれなりに楽しめるがカウンターバーはどちらかというと良く無い。一流とは言えない。

追記、先日ハーモニーの世界一周航海に関連したヨットの集まりがあり、2次会で未だ行って無い銀座のペニンシュラのバーに寄る。
かなり軽い乗りのバーでありバーカウンターだ。女性客も多い。
接客は良い。重厚なホテルバーを望む人には期待外れとなるが、若い女性と行くには親しみ易く良い。

これはズット前に建ったのだがフォーシーズンズのバーもなかなかよろしい。男のバーのたたずまいだ。ただ椿山荘のとなりと不便なところにある。会社からは近かったので飲み会の後、良く一人で寄ったりした。

最近出来た高級ホテルのバーは新しい息吹が感じられ楽しいものだが、昔からある帝国ホテルとオークラはそれらとは違った風格がある。日本を代表するホテルという雰囲気とサービスはまた格別のものがある。特に私はオークラのバーが好きで良く通った。1階のバー、ハイランダーは長いカウンターもテーブル席も良い。
しかし、かって女性は入れなかったころのオーキッドバーを私はなにより最も愛した。
それは随分昔の話だ。独身時代から、所帯を持ってすぐころまでの思い出だ。懐かしい。

良く寄った銀座の機関車の様にその雰囲気、バーマンの技量、風格とホテルのバーは男の場所として特別のものであった。しかし六本木のグランドハイアットを別にして最近出来る高級ホテルにはもうそのような場所は見られなくなっている。女性に照準を合わせたものなのだ。