DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

関東のヨットマンの皆さん、小鳴門って知ってましたか

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2009.5.15(金)
皆さん小鳴門を知ってましたか。
日本一の急流として鳴門海峡は有名です。
私も鳴門を渡るなどおこがましいことは考えていなかったので、徳島の次は友が島水道を抜け、淡路島の有名な洲本に行く予定でした。ただ、友が島水道も徳島に近い方の由良瀬戸を岸伝いに行けるか白浜の三川さんに聞いてみました。勿論大丈夫だとの返事と一緒に小鳴門も良いですよ。と言われ、え!小鳴門ってなんですかとびっくりして質問しました。鳴門の隣に細く長い景色も素晴らしい海峡がありそこを通ることが出来る。
そんな話は聞いたことが無い。
大阪湾に入り瀬戸内海に蓋をしたような淡路島を大廻りして瀬戸内海に入るものだと思っていた。
鳴門を抜ければそこは瀬戸内海なのだ。
なんとしても通って見たいと俄然願望が膨らみました。そこで

09年5月15日の鳴門海峡の転流は7時49分。以後連れ潮の北流と好都合な日和。
転流2時間30分前の5時19分出港と決める。
起床、3時45分。
食事は全て前日に用意済み。素早く食事とトイレを済まし、予定通り7時19分にお世話になった松島ヨットクラブのポンツーンを離れる。松島ヨットクラブの皆さん有難うございました。
地平線に雲がかかっていて朝日は見えない。

港の外に出ると北の風で登り。大きく無いがスプレーを浴びっぱなし。寒い。オイルスキンをホールウエザーのヘンリーロイドに着替える。約2時間この状態が続く。
途中、真後ろから、また前方に漁船が現れる。前後左右を猛烈に走る漁船に取り囲まれながら進む。50艇以上はいたと思う。何故か双胴船の様に2艇でくっついて進む漁船が何艇もある。私は同じ小鳴門か鳴門の潮止りに合わせて進んでいるのだと思った。
しかしこの船団は小鳴門に入る少し手前の地域につくと止まり、集合している。ここが漁場らしい。

小鳴門の入口に7時20分ぐらいに着く。
最初の最重要地点赤い灯台を確認。
この赤灯台は岸に極めて接近して立っている。灯台の右が広く空いている。
しかしこの右側の広い方を進むと必ず座礁する。
狭い狭い赤灯台左を進む。潮で船が左右に持っていかれる。
最初の橋、撫養(むや)橋をくぐってすぐ、7時49分転流時間となる。あとは連れ潮となり進み易い。
廻りを緑の山に囲まれた穏やかな水路を景色を楽しみながら進む。
船には一艘も会わない。一人この静かで細い水路を進む。
常に水路の真ん中を進む様に気をつける。
水路の半分は過ぎた頃、あーこれで鳴門を抜けることが出来るなー等と考えている時、
突然、艇がガクンと停止してしまう。
エンジンをガーとふかす、バックにも入れるが船は動かない。
下を見るとナント柳のようなきれいな緑の極めて細くて長い葉の様な中に船がいるのだ。
船は潮で動くので座礁したと言うよりこの緑の草の上に乗ってしまったようだ。
エンジンで対処できないか何度かやってみるがダメ。

廻りには相変わらず船の姿は見えない。
アンカーしかない。船から遠くにアンカーを打ち、艇から引張って移動させる訳だ。
テンダーを下ろし、70mのアンカーロープとアンカーを積んで艇から20mほど行ったと頃に、小型の漁船が現れる。どこか遠くで見ていたのだろう。
引張ってあげると言ってくれる。
テンダーで艇に戻り、ロープを渡し、引張ってもらう。
動くだろうか。漁船のエンジンは力が強い。直ぐに動き出す。
船長は勝って知ったる深いところまで誘導してから引張ったロープこちらに戻す。
脱出できたのだ。
浅いところが何箇所もある。右側は浅い。
良く見れば色が違うから解る。
と教えられ見直すと浅いらしい所は緑がかっている。

松島のポンツーンでベテランヨットマンに小鳴門の渡り方を教えてもらった。
右側は浅い。気をつける必要がある。
それを右に寄るのを注意して真ん中を通れば良いと判断したのだ。
小鳴門は左寄りに走らなければいけません。
また浅い所は良く見ていれば解るからと言われた。
私は水が澄んでいて底が見えるからと思ったが色が違うのだ。

お名前をお聞きするのを忘れてしまいました。船長、ありがとうございました。
この事件で20~30分かかってしまった。

ズットはなれた所で私より遅く水路に来たかなり大きなロングキールらしきヨットが止まってこちらの様子を見ていたが、脱出出来たと見て動きだす。道案内も兼ねてゆっくり進んでくれているようだ。
その艇の進む方向に注意しながら進む。

9時に小鳴門を通過。瀬戸内海に入りました。
北流最速まで1時間ぐらいあるのに、右(東)前方は大きな白い波がっている。
幸い進行方向は左(北西)なので急カーブして左に進む。
引き綱用の長いロープの整理、アンカーロープとアンカーの定位置への設置、次にづっと引きずっていたテンダーの艇への持ち上げと設置、オールの収納等、セイルを揚げることが出来たのは鳴門を出て1時間後であった。

初めての港、淡路島、草壁(内海)港まで大型本船と何度も行き会う。向こうはこちらの進行方向に対し直角に進む。何艇かに針路を譲る。

草壁港は特に褒めた人がいなかったのでそれほど期待していなかったのだが、低い山々に囲まれた実に美しい、静かな入り江だった。来て良かった。

着ける予定の桟橋はモーターボートと小型の本船で塞がっていたのでアンカーを打ち桟橋先端に槍着けする。ところがアンカーが利かない。そこへ桟橋食堂の人がやってきてここは留められないのであとで本船は出るので本船に横抱きしてくれと言われる。
アンカーを揚げてみて解ったがアンカーが草の様な藻に覆われたいる。草壁ではアンカーは利きません。海底は藻が積み重なっています。
本船に横抱きを試みる。本船の人全員が非常に好意的に舫いをとったり汚水排水口を避けるように言ってくれたりと親切にしてくれ助かる。
本船が移動する前、前にいたモーターボートが桟橋を離れたので前方に移動する。

位置決めが出来たので4時13分のバスで温泉に行って帰りは歩いて帰ってきました。6時過ぎ。

写真:
・草壁(内海)港、桟橋に舫うECHO POINT
・双胴船の様な漁船。初めて見ました
・これが鳴門海峡の遠望です
・小鳴門に入って最初の橋、撫養(むや)橋を望む