2020.11.26(木)
番外篇:
大空は恋しき人の形見かは もの思うごとにながめられらむ
17、8の時にこの歌に会って以来、青空と白い雲を眺める時、
何度、この歌が浮かび上がったことだろう。
それは海の上に浮かぶ船の上でもっともしばしば起こった。
しかし、きょう朝、5時前、これは青空とは言っていない。大空だ。
とすると、あの星空も含めて言っているのではないか。と、ふと頭に浮かぶ。
那智で朝5時前、最近では真っ暗。しかし電灯の明かりが点々とついている。
少しでも明かりがあると空の星は目に入らない。
ただ、一か所、防波堤がすべての明かりを隠す道を通る時、
夜空の星がナント美しく、輝いてみえることか。知らなかった眺め。
夜空の美しさを明かりの無いところで実感する。
そこでは青空と白い雲の大空とは違った、澄み切った世界と思い出にひたることが出来る。
満天の星の夜空も煌々と輝く月の夜空も含んで大空と言ったのではないか。
歌を知って50年以上も気が付かなかったとは。