DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

誰も入ったことの無い伊万里湾。最奥にやって来ました

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2018.7.27(金)
誰も入ったことの無い伊万里湾。最奥にやって来ました。
船内高温につき、危険なので、今はこれまで。15時54分。

伊万里湾。聞いたことがありますか。
博多港小戸方面から平戸に行く時のコース左(南)側に島に囲まれた大きな湾、それが伊万里湾です。

昨年、呼子で台風をしのいだ時、海図を眺めていると、この伊万里湾が目に入りました。
島に囲まれ、奥は深く、これ以上の台風避難に良い所は無いのではないか。

そこで、電話帳の様に厚い水路誌を呼んでみると、
伊万里湾は佐賀・長崎にまたがる大湾で、湾口から湾内にかけて大小多数の島があり、湾形を複雑にしている。
 湾は外湾と内湾に解れ、内湾の奥に伊万里港がある。
 この湾は関門港の西方約80マイルにある九州北岸中最良の避泊地である」
とあるではないですか。私の感は正解でした。
これは行ってみなけりゃ。

それと、私は陶器が好きで伊万里と言えば、伊万里焼、古伊万里が頭に浮かぶ。
どんな作品かどんな土地かどんな歴史か是非訪れてみたい。

そこで、芦屋や唐津、地元のベテランヨットマンに伊万里湾について、聞いたみたのですが、
だれも入ったことがありません。
いったい、ヨットを留める所はどこにあるのか。
先輩がつばきマリーナに船を置いていると聞いたことがある、情報はその一軒のみ。

ネットで調べると、マリーナとして「つばきマリーナ」と「伊万里マリーナ」が見つかります。
最初はそこに行ってみようと思ってました。
念のため、グーグルマップで調べてみました。
インターネットはすごい、怖いほどだ。

両マリーナとも町中とは遥かに離れた、自然環境のなかにある。
店も無し、町中に出るにはめったに来ないバスしかなく、葉山に行くのは違う。
車が無ければどうしようもない所と解る。

そこで、伊万里湾の奥、伊万里港をグーグルマップ航空写真でしらみつぶしに見て回りました。
伊万里港なんてないんです。
最奥全体が伊万里港と名付けられているのです。
予想した、江戸時代から続く、かっての繁栄を残す港や船の情景は皆無。
港も無ければ船もいません。

伊万里大橋をくぐったところに往時から続く港を頭に描いていましたが、
大橋の先は浅くて船は行けません。

伊万里港と名付けられた最奥の地域をくまなく航空写真で見ると、2か所だけ、船が見えました。
一つは「釘島」の南側、漁港と思われるが岸壁に少数の船が、槍着けしてます。
ヨットと思しきも3艇程見えます。
しかし、ここでの移動は歩いて大橋まで行き、大橋を渡ってから電車の駅まで行く必要があります。
近くに店など全くありません。

もう一か所、貯木場の南側の奥、岸壁にレジャー船らしきが並んで舫っている。
ホントに最奥ですが、ここしかありません。
そばに電車がはしっており、駅も少し遠いがあります。
その電車は「伊万里駅」に通じています。
よし、ここに行ってみよう。と、いつもの無謀が開始されました。

航海:
呼子港でアンカーを揚げ、メインを上げ、6時15分スタート。
晴天、微風。上り。
薄くガスが掛っていて遠くは鮮明に見えない。

呼子港名護屋港を抜け、外海に出て、伊万里湾口を目指す。
水路誌によると
伊万里湾に入るには、日比水道、青島水道、及び津崎水道のうち、いずれかの水道を通航することになるが、
 日比水道は水道中央に水深2.2mと5mの険礁、水道南口に水深1.3mと5mの険礁があるので、大型船は通航できない。
 また、青島・津崎水道は共に主水道として、夜間も容易に出入港できる」
とある。
そこで、日比水道が近いが安全を見て、次に近い青島水道から入るコースを取った。

水道までの航路では10艇ほど漁をしている。
漁船風でない、レジャー船風の船だ。なんだろう。

私の前を大型船が湾に入っていった。
湾入り口に二つの大型赤浮標。

湾口左の島から長い、長いイカダが出ているので注意。
湾内で、漁船10艇ほどを見たが、みな独特の形をしている。初めて見る船型だ。

最奥の伊万里港に入ると、巨大船が3隻ほど留まっていた。
沿岸は工場地帯では無いが自然のままの緑では無い。
沿岸は全て加工され、なにかに利用されている。
液化ガスの丸い大ドームがいくつも見える。

セイルダウン。
グーグルの航空写真で見た小さな漁港らしき港は確認できた。
しかし、あと0.3マイル程なのに目的の貯木場南の泊地が見えない。

埋め立てでなくなってしまったのか。
一旦は戻って、平戸に行こうとまで思う。
しかし、とGPSプロッターの最終WAYポイントまで行ってみよう。
行く先には何も見えないが。

最終地点に着く頃、眼前に低い防波堤が見えて来た。
右手が空いている。
デットスローで進む。
中に入ると、グーグルマップで見た様に岸壁にレジャー船が槍付けされている。
よし、ここだ。

しかし、岸壁は殆ど船で埋まっている。
少し空いているところがある。
ここしかないと、アンカーを打ち、槍着け。

着けた岸壁の右側のモーターボートに人が来ている。
呼びかけ、ここに船は戻ってきますかー、と尋ねる。

そこのバースは、今、エンジン不調で修理中。
明日、あさって戻ってくるかもしれない。
左の漁船側は1艇分、空いている。
多分、着けて大丈夫と思うと親切で好意的なアドバイス
良かったー!

無事、伊万里湾最奥に着けることができました。11時50分舫い完了。

何はともあれ、昼食。
食事は前日に作ってあります。

駅がホントにあるのか地元の人に聞きながら駅まで行ってみる。
時刻も確認。ホントにここに電車が走るのかと思わせる線路。草ぼうぼうだ。
でも、何しろ駅があると確認。
駅は「久原(くげん)」
この地域は「久原(くげん)」

船内整理して17時39分の電車で伊万里駅まで行ってみる。
晴天で何しろ猛烈な暑さ。
町の散策は無理。
観光案内所も閉まっている。

駅のトイレがとてもきれいで清潔。
係り員に建ったばかりですかと聞くと、もう築10年以上。
社長がきれい好きでこの様にピカピカにしている。
社長の奥さんが自分でこのトイレの掃除に来ると、感心な話が聞けた。

駅のすぐそばにグルメシティの大型店を発見。
非常に品数豊富。価格もリーズナブル。魚が珍しく多く、安い。
色々食材を仕入れる。

電車に乗ろうとしたら、乗り継ぎが悪く、50分ほど待って、19時42分の電車で戻る。
電車は1時間に1本。

暗いが船内は暑いので、ランタンを点けてデッキで食事。
イカも食す。

写真:
伊万里湾の最奥に舫うECHO POINT
・船内温度37度
・駅は「久原(くげん)」