DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

関門海峡を越えて、瀬戸内海に入りました。

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2007.9.12(水)
室町時代に一世を風靡した芦屋窯というのも見たく、芦屋でもう一泊したいと思っていたが、天気予報が急に変わり、今日は波1.5m後2.5m。明日も2.5mの予想。これでは芦屋に釘止めになる可能性が高く、急遽瀬戸内海へと出発する。かの関門海峡を越え、関門橋を越えたすぐにある田野浦という叉あまり人の行かない港に今着いたところ。直ぐさま食事をし終わって1時半。

ヨットによる関門海峡通過:
日本ではヨットによる航海に関して寄港地その他もろもろの情報が乏しい。
関門海峡通過についても同様である。2、3の通過体験をWEB上で見ることが出来るが航海記なので一般的な情報になっていない。
0)関門海峡通過の一般的な留意事項
1)響灘から瀬戸内海に抜ける場合
    1.1関門橋の潮止まりの後、西流になるばあい
1.2関門橋の潮止まりの後、東流になるばあい

2)瀬戸内海から響灘へと抜ける場合
    2.1関門橋の潮止まりの後、西流になるばあい
2.2関門橋の潮止まりの後、東流になるばあい

それぞれどのような注意が必要かを知りたく調べたが明確な回答を見つけることはできなかった。

今回、関門海峡の通過を体験して得た考えを述べる。
結論:
0)関門海峡通過の一般的な留意事項
   ○ヨットは海峡の何処をとおるべきか
    0.1航路は右側通航であるが、ヨットの様な小型船は瀬戸内海から響灘へと抜ける場合
     も海峡の左側(九州側)を通過して良い。
0.2海峡の九州側は航路表示の赤ブイから陸までかなり広く、航行しやすい。巨大船の引き波も      殆ど受けない。従って、ヨットは航路の九州側を通るのが良い。
    0.3航路内は巨大船が連なって登り下りしているが航路(ブイ)外ではG漁船も含め小型船の行き      来は殆ど無い。
   ○九州側の大きな港に出入りする船に注意
     注意すべきは、航路を進む大型船ではなく、九州側の大きな港から航路へまた航路から港に入     る大型船である。大型船は正確にブイ内の航路を進む。赤ブイの外にいれば全く注意する必用     は無い。ところが若松など大きな港がいくつもある九州側からまた航路から港へと入る船が多      い。注意が必要。私の場合も2回、進路を譲った。
    
1)響灘から瀬戸内海に抜ける場合
    1.1関門橋の潮止まりの後、東流になるばあい
       逆潮である。関門海峡入口から最強流の関門橋まで約10マイル。平均5ノットの速度とし       て、潮止まりの2時間前に航路に入ればよい。
       入口では強い逆潮は無い。速度を保てる。次第に逆潮が強くなるが1.5~2ノット程度であ       り平均5ノットで行ける。
1.2関門橋の潮止まりの後、西流になるばあい
       この場合は進み易い。約2時間程度前に関門海峡に入り、速度を調整しながら潮どま       り時間に関門橋を越える。
       連れ潮だからと言って、逆潮急潮の時間帯に進むと梶が利かないと漁師さんが言っていた。
       
       
2)瀬戸内海から響灘へと抜ける場合
    2.1関門橋の潮止まりの後、西流になるばあい
       潮止まりの時間に合わせて関門橋を通過する。あとは緩やかな連れ潮に乗って進む。航海し易い。
2.2関門橋の潮止まりの後、東流になるばあい
       次第に逆潮が強くなるので、自船に可能な最速で関門海峡を通過してしまうのが良い。


私の場合。今日の潮止まりは12時18分、潮止まり後、東流。つまり逆潮を進むことになる。さらに今日は大潮だ。最も急潮となる。避けたいとこだがめぐり合わせだ。関門海峡入口に10時半に入るよう8時過ぎに芦屋港を出港。八幡崎沖を通過するまでは波が良く無い。穏やかな天気で白波も立っていないのに船のローリングが激しい。多分海底の浅瀬が影響しているのだろう。関門海峡入口に近づくにつれ穏やかになる。後ろから1艇大型船が同じ進路で近づいてくる。望遠鏡で見ると陸よりに走るECHO POINTの内側、さらに陸よりを通過していく。ついに大型船に取り囲まれて走ることになるのかと緊張尾する。ぴったり10時半に関門海峡入口に入る。逆潮は殆ど無い。通常のスピードを確保できる。進路は航路の陸側、赤ブイの外を通るよう航路計画を立てた。航路に入ってすぐ向こうからタグボートがゆっくり四角い大型作業台を引っ張ってこちらに向かってくる。九州側でも航路の外では瀬戸内海から響灘方向へも進むことが出来るのだ。赤ブイから陸まではかなり広い。しかし小型船は全く見当たらない。1度だけ中型の漁船と行き会い、その船がまた戻って来て同方向に進んだ意外、一艇の小型船も中型船も航行しなかった。
航路の奥、一番南の地点が近づくにつれ逆潮がきつくなる。それでも1.5から2ノット程度である。つまり船の速度としては4~4.5ノットである。時たま、3ノット台になる。
潮止まりの20分前ほど前、関門橋手前3マイル程度でも逆潮は1~1.5ノットある。
潮止まり12時18分を過ぎると正確に連れ潮となりプラス1~1.5ノットつまり艇速6~7ノットとなる。この速度で12時30分、潮止まり後12分に関門橋を通過。橋の袂にある和布刈神社に艇の上から参拝。最狭部の橋をぬけ、穏やかな連れ潮に乗って真東に進路を取る。連なって瀬戸内海方向に進んでいた大型船は遠くに1艇見えるだけでいなくなったので安心して最狭部を抜けられた。大型船は潮止まり時には抜け終わる様に通過計画を立てるのか?

今日の泊地は田野浦である。港湾案内に名称は乗っているが漁港とは出ていないし、ただ、行き止まりの水路の様になっているだけだ。この泊地はカサヤンという気象予報師の航海記に出ていただけで知っているヨットマンに会ったことが無い。
この場所でいいのだろうかと最低速で狭い入口に近づく。大きなサルベージ船が水路の半分を占めて止めてある。こんな大きなサルベージ船が止まるぐらいだから奥に行って引き返すぐらいの余地はあるだろう。GPSの表示を海図と魚探の両方が見られるように変え、水深を確認しながらゆっくり船を進める。
一番奥まで行き港の中を確認してからUターンする。
大潮せいもあり岸壁が高くハシゴが設置してない所は脚立を吊り下げても登り降り出来ない。はしごがあって使われていないらしいバースを物色する。1箇所、舫いロープが海に漬かったままだ。使用されていないらしい。アンカーを落とし槍付けで係留完了。

1時になってしまったので直ぐ食事。
食品とペットボトル入りの水が切れたので、上陸して店を探す。大型スーパーは無く、コンビニ風で大きい店があったのでナス、トマト、その他を購入。店にコインランドリーがあるのも発見。ラッキー。大型スーパーの場所を聞く。一度船に戻り、洗濯ものをもってコインランドーへ行き、大型スーパーまで出かけ、肉、野菜その他を仕入れる。

風呂の場所も聞いて遠いらしいが夕方歩いて行って見る。遠い。40分は歩いたと思う。着いてみるば今日は休み。叉歩いてかえる。
材料は手に入れたが今日は料理する気にはなれず、ビールを少し飲んでありもので夕食とし、寝る。

写真:
・田野浦にもやうECHO POINT
関門橋を見上げる