DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

マスト一人登り

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2010.10.5(火)
今日発売のKAZI誌2010年11月号に私のマスト一人登りが紹介されている。
私の考案と表現されていますが、私の考案ではありません。念のため。
文字では解り難い。
今日はエンジン部品発注で船までハーバーの勝間田君が来てくれたので撮影を手伝ってもらいました。なにしろシングルでは撮影不可能ですので。

写真1:
マスト一人登りセット。
私は旧艇に着いていたメインブロックを一人登り専用として準備してある。
メインブロックにマスト高の4倍のシートがついている。
上部には2連のブロック。
(今乗っているBW33はブーム側に3つのブロックが付き、ロープは6本だ。このタイプを使うと、マスト高の6倍のロープが必要となる。引張る力は少なくて済みますが)

写真2:
船体接続部にボースンチェアーを取り付ける。
上部の2連ブロックをメインシートに取り付ける。
ボースンチェアーは手元に押さえ、
メインシートを引き、マストトップまで2連ブロックを引き上げる
ボースンチェアーに体を入れます。

写真3:
カムクリートにつながるシートがポイントとなります。
このシートを体重を掛けて引張り下ろし、
引張り下ろしたシートをカムクリートに固定することでその位置に留まり、両手が離せます。

写真4:
カムクリートにつながるシートを体重を掛けて引張り下ろしているところです。
体重を掛けて引張り下ろすので、重さは殆ど感じません。楽に体が上に移動します。
(むさ苦しい顔が見え申し訳ない)

写真5:
引張り揚げられた位置で左手のみでシートを掴む。
右手を離し、引張り下ろしたシートをたくし上げ、カムクリートに挟み、固定する。
これで、高さが固定されたまま両手を離すことが出来る。

写真6:
スプレッダーを越えたら、事前にスプレッダー当たりに揚げておいたスピンシートを掴む。
これは安全対策のシートとなる。
スピンシートのフックをボースンチェアーのリングに掛ける。
もしもの時も、体がこのスプレッダー位置まで落下してとまる。
白い紐はスピンシートを引張り下ろす為に付けてある。

写真7:
スピンシートのフックをボースンチェアーのリングにつけ様とするところ。

マストトップまで、楽に行けますよ。


#マスト一人登り試行錯誤
このメインブロックによるマスト一人登りに行き着くまで、色々試行錯誤を経ています。
最初試みたのは、私の好きなLin and Larry Pardeyの方法でした。
私は彼等が好きでその著書、ビデオを殆ど全て持っています。
著書のThe Capable CruiserのP226、Safty Aloftに2連ブロックを上下に使う方法をが出ているのを発見し実に感動しました。この方法を試したのですが、うまく行きませんでした。
ストップして両手を使える様にする方法がうまくできなかったのです。
次に野本謙作さんのスピンナヤーンP111、一人でマストに登る方法に出ているやり方だ。
ポリタン1個か2個を滑車の一方に取り付け片方に人を釣る方法だ。
つまり、引き上げる体重が20kgか40kg軽くなるわけだ。
これもやってみたが、ポリタン1個でもマストトップに引き上げるのは実際にやってみるとかなり手間だ。マストトップ当たりでブラブラ動くのも気になった。
私の艇ではシートがマストの中を通っているせいもあって、この方法も断念した。
次に、登山の人がやる何とか懸垂という上部に上がっていく方法だ。
これは石川直樹の本を読んでいて知った。
ミソは引き上げたロープを固定する機具なのだ。
神田その他の登山店でそのS字の様な機具を見つけ店員に聞いたり、登山の本を見たりしたが、今ひとつすっきり来ない。
WESTMARINEで売っている、Top Climerという429.99$のを何度も買おうかと思ったが、価格が高いのと出ている写真がすごくかっこ悪いだよな。

いろいろ試行錯誤した結果、要は引揚げた状態でロープを簡単に固定できる方法が見つかれば良いと解る。
それならカムクリートが一番良いのではないか、それより今手元に余っているメインブロックがそのまま使えるのでは無いかとの思いに至った。
ここに気づいたのは、以前KAZI社がかって販売していた海外VIDEOで似た事をやっていたのを見た記憶がどこかに眠って居たせいもあると思う。

この余っているメインブロックを使ってマスト一人登りをやってみる。
ナント、実に簡単に登れるでは無いか。
ようやっとここにたどりつきました。

良いマストステップがあれば取り付けたいと思ってます。
私は畳めるやつでは無く、三角の固定式が好みです。
westmarineのやつは貧弱で気に入りません。
世界周航中のカナダの艇が付けていたのが気に入っていたところ、沖縄にある木造ヨットが同じのを付けているのでその造船所に電話して聞いてみた。
今はそのステップは輸入していないとの回答で諦めている状況だ。