DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

灯台の明かりを頼りに福田入港

イメージ 1

2014.10.31(金)
昼間でも入り難い福田港に、灯台の明かりだけを頼りに入港。
真っ暗な岸壁に接岸。とにかく無事、安乗から福田に移動しました。
安乗→福田 53マイル(96km)
航海距離が長い。5ノット平均で10時間半かかる。
朝は6時で暗い。夕方は6時前に暗くなると想定。
この暗くなる時刻の認識が甘かった。
5時でもう真っ暗なのだ。
天気予報では北の風、後東の風。東の風は弱い。
南という字が予報に入った場合、私は福田には行かない。
南風の場合、福田には大きな波が打ち寄せ、入口が見えなくなる。
600馬力のエンジンを積んでいる地元の漁師さんが言っていた。
私の船でも必ず入港時に一旦停止し、様子を見て入港する。
福田では予想しない大波が来る時があるとのこと。
また、世界を廻って帰ってきたばかりのご夫婦が福田に入ろうとして、
テトラに乗り上げ死亡している。
そんなこんなで、福田に入る時はいつも緊張する。


4時前起床。
5時の予報では遠州灘は北の風、後東の風、風は弱い。曇り時々雨。OK出港。
朝から雨が降り出す。
完全武装で雨の中、アンカーモニターを揚げ、アンカーを揚げ、安乗港内でメインをあげる。
6時15分、安乗赤燈台を交わす。順調なスタート。
安乗港沖から福田まで一本、52マイル。
登りであるが、北の風を受け順調に走る、5ノット後半から6ノット。

ところが、1時間ほどで風が北東に変わる、つまり進行方向。メインがバタバタ言う真登りとなる。
それに加え、逆潮。3ノット代が昼過ぎまで続く。
私は西から福田にアプローチするのは07年、沖縄からの帰り、013年ラリーからの帰り、今年で3回目。
今回初めて、潮の大きな影響を受ける。
丁度進行方向右手からうねりを伴った波が来る。
大きな川を斜めに横切って行く感じだ。
時々、うねりの様な大きな波が艇をバシンとたたく。
沿岸と沖の方が静かに見える。
それでいずれ静かになると予想していたが、この潮はズット続く。
途中で寒くなり全部着替える。
朝、アンカーを揚げ、メインを揚げたりした汗で衣類が濡れているのだ。

パンチングがズート続き、4ノットも出ない。これが6時間昼過ぎまで続く。
昼過ぎから15時ごろまようやっと4ノット代。
15時過ぎてから5ノット代となる。

計算すると入港するのは6時過ぎ。
過去2回、順調に通過出来たので甘くみていたのだ。
なんとなく6時には暗くなるなぐらいに見ていたが、
5時で真っ暗。漁船の点灯が見える。
こちらもマスト燈と両色燈をつける。

うーん、福田に夜間入港か。

明るい内にメインを降ろそうかと思ったが少しでもスピードを保ちたくて、
灯台0.5マイルの所で降ろす。
暗い中、船首まで行ってみると海の上の明暗が良く見える。
コックピットにいるとGPSプロッターの明かりで目がくらんでいるのだ。
プロッターの前を塞ぐ。いかにも夜の中をはしっていると感じさせる景色となる。

少しスピードを落とし、灯台に近づく。福田港には何度も寄っているので形状は理解している。
ただ、真っ暗な中でどの様な状況になるのかは初めての経験だ。
白い強い光が白燈台の明かりだ。その後ろに時々見える赤点滅が右(東)から延びる防波堤の先端だろう。
灯台を北に見る位置まで来ると、白い光が左、白の灯台も確認出来た。右に赤。
ゆっくり、進む。
昼間みるより入口左右の幅が広く感じる。
いつも狭いと感じながら入る港入り口なので、慎重に真ん中を進む。
すぐ右手に曲がり、右に有るハズの赤燈台あたりに赤い光。
その赤の光を右に見て、いつもの釣り人でいっぱいの長い岸壁の前へと進む。

それにしても福田港には明かりが丸で無い。
節約でライトを消すようになったのかな。
いつも岸壁に連なっている釣り人も雨と暗くなった為かいない。
ゆっくり、岸壁右(東)端のヨットを着ける岸壁の角に近づく。
ここにも明かりが無い。
真っ暗な中、慎重に近づき、出船で接岸。舫いを完了。18時15分。
12時間の航海であった。

過去の安乗→福田を見てみると。
07年11月8日、赤灯台を6時12分通過、福田15時40分舫い完了
http://blogs.yahoo.co.jp/sa3307/50307243.html
013年11月3日、6時抜錨、15時30分着岸。
http://blogs.yahoo.co.jp/sa3307/62239224.html

今までが、幸運過ぎたのだ。

写真:
・暗い中、舫い5終わったECHO POINT