DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

Sentimental journey 2-3

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2016.6.26(日)
ツルリと滑り、はっと気づいた時は転んでいた。
雨が降った後だったのか、一面こげ茶色に光り、慎重に地べたを踏んでもすぐ滑る。
約、40数年前の南紀白浜千畳敷であった。
白浜飛行場をAと二人で降り、公園の横を通って歩いていた。
歩いてホテルに向かったのだろうか。多分、そうだったと思う。

ホテルの名前も場所も覚えていない。
泊まったのは、石段をいくつも登り、ホテルの一番高い、丸い塔の中の部屋であった。
その丸い塔をはっきり覚えている。

今日、白良浜10時11分のバスで千畳敷に向かう。16分で着く。近い。
あのステンと転んだ時、千畳敷までどうやってきたのか、歩いてきたように思う。
さすれば、ホテルもこの近くだ。
しかし、昔来た時は日本のバブルが到来する以前のことだ。
たぶん、バブル時期には白浜は大変な賑わいで、そのホテルも立て直されたと予想される。
と思いながら、千畳敷の先にある三段壁まで歩く。

あの塔が目に入るのでは無いか、絶壁の上の森の中の道を進む。
深い谷底の上に掛かる細い橋を渡る。
私はこの様な際、探していた場所を良く見つける。
見つけると言うより、その場所が私を呼び寄せる。
しかし、今回はその幸運にはめぐり合わなかった。

泊まった翌朝、白い砂浜では無く、茶色で小さな石がいくつもある海辺にいたのを記憶している。
ホテルの敷地だったようにも思う。
そうすると海辺に建ち、森の上まで続くホテルだったのだろうか。
この近辺の地形ではそのようなことは有り得ない。海辺は断崖だ。
今となってはかすかな記憶と断片的思い出のみとなってしまった。

一緒に白浜へやってきたAのことを思う時、
池の上での一緒の暮らしは私が人生で最も自由だったと感じる日々であった。
思い出せばいつも、いつも感謝の念でいっぱいになる。

写真:
千畳敷。今日は晴れて地面は乾いていた。
・少し先、にある三段壁