DONのヨット暮らし

Mais ou sont les neiges d'antan?

いのち綱を着けて潜る、南紀白浜綱不知着

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2019.5.9(木)
那智から綱不知まで55.4マイル(100km)

港内でメインを上げ、6時15分出港。
那智港、勝浦沖を過ぎ、梶取埼沖まで来た。
突然、音を立て、ガタガタと艇が震える。
何かにぶつかったのか、エンジン回転を落とす。静かになる。
流れ藻か。
3畳敷きの流れ藻が幾つも見えるような所なら注意するが、
廻りに藻は見えない。エンジンを逆転してみる。少し藻が流れていく。
やはり、裳か。

今日は長丁場なので、早く処理したい。
ECHO POITはスケグがついており、ペラも深い所にあり、めったに藻が絡まない。
しかし、深い所にありテンダーからもペラが見えない。
潜るしかない。
気温は低く、真冬のカッコをしていたが、パンツも脱ぎ真っ裸になってウエットスーツに着替える。
いつも、チョットしか藻は着かないので、潜ればすぐ取れるだろうと、いのち綱は着けずに急いで潜る。

と、ナント今まで見たことが無い巨大な藻のかたまりが見える。
とにかく、取り外さないと。藻に近づこうとするが行けない。進まないのだ。
あ、重しにする鉛のベルトを忘れた。
もう一つ、潮が強く、体が流されて藻まで近づけないのだ。
コリャー大変。もし艇から離れたら、戻ることが出来ない。ドンドン体が流されてい行ってしまう。
いそいで艇に上がり、重りベルトに加え、いのち綱を着け、ハシゴに結ぶ。

なかなか取れない、何度も潜る、途中で休んで又潜る。ようやっとペラ本体が、綺麗に見えた。
フー、一安心。
航海再開。8時。

皆さん、マリーではなく、外海で潜るときは必ず、いのち綱を着けましょう。

潮岬は静か。
1)黒潮が潮岬の遥か遠くを流れている
2)風、波とも静か
1)は海上保安庁の「海洋速報(海流図)」をチェックしましょう
2)は海の安全情報から「潮岬灯台」の最新12時間のリアルタイム波、風情報をチェック
今朝、5時のチェックで風、2m、波1m以下。
これは潮岬を越えなきゃー。
串本に寄らず、潮岬越えを目指した理由です。
潮岬を超える時は私は何しろ穏やかである事を最重要にしてます。

黒潮が沖を通っているので、本船もズット沖を通過してます。
ECHO POINTより陸側を通ったのは前から来た2艇のみ。

潮岬までは西の風、登り。
かわして、ジブを上げて、しばらく行くと、今度は北寄りに変わり、またのぼり。
ヨット、真上りの法則は強固に生きてます。

上りなのと、逆潮がきつく、3ノット代しか出ない。
たしか、前もこの経験がある。周参見沖を通過するとき2~3ノットの逆潮となることがある。

少しエンジンスピードを上げなきゃ。
と、ここで2回目のアクシデント。
アクセルを上げても回転があがらないのだ。
エンジンコントローラーの故障。
何回かエンジン本体のアクセルを動かす。しかし、すぐ元に戻ってします。
ここで、しょうがない、エンジンコントロールボックスを外し、中身を取り出し、処置するしない。
エンジンコントローラーをボックスから取り出し、原因はわかっている。
かなりコントローラーの構造が劣化して、ワイヤーの根本が本体から外れてしまうのだ。
ステンレス線で縛り、仮止めして対応。
コントローラーを新しくする時期だなー。

潮きつく、4ノットしかでない。
これは困った、日が暮れてしまう。
田辺湾では絶対ショートカットコースは取らないことにしている。
今回は、gpsプロッターを見ながら出来るショートカットを実行。
スピードも綱不知にはいるまでエンジン回転2500回転,ECHO POINTOとしては最大回転で進む。
曇っているので、太陽が見えない。
計算すると7時過ぎに南紀白浜綱不知に入ることになる。
ただでさえ、複雑で入るのに注意を要する港だ。
暗くなって入れるだろうか。
これが次の心配となる。

ラッキー、西の海に沿って雲が切れ、太陽がのぞき、海面を照らす。
沈む姿を見る程余裕は無いが、どうにか薄明かりの中、
スターンアンカー、綱不知の岸壁に槍着け完了。6時50分。

今、綱不知桟橋は台風で使えない。岸壁は地元の方の好意で留めさせてもらっている。
昨年の風速40mの時と同じ岸壁。

簡単な後片付けのあと、食材仕入れに。白良の湯は木曜で休み。
艇に戻り、エビスとナチュラルチーズを味わい、作ってある食事をすます。
食器の洗いを済ます。朝早かったので洗うものが多かった。

写真:
ウエットスーツと、いのち綱
・潮岬展望台
・潮岬灯台
・分解したエンジンコントロール